会長あいさつ
今から50年前、日本は世界に例を見ないスピードで高齢化社会を迎えていました。また、いたるところで木槌の音が聞こえ、高度経済成長の道を歩いていました。農村にも近代化の波が寄せ始めました。このような時代背景の中、1972年9月に医療法人吉村会、翌年7月に飽田病院が誕生しました。
私が入職したのは1990年4月です。いわゆるバブル経済が弾け、世の中は混とんとした時代を迎えていました。50年もの長きに渡り組織が生成発展しながら存続することは、並大抵のことではありません。
経営的に順境な時もあれば逆境の時もあります。
山あり谷ありの中を、地域の皆さんのお役にたてる病院づくりに取り組んでいます。
地域と職員から信頼される病院になるために、3つの誓いを立てました。1つは、職員の雇用を守る。2つは、金融機関と対等なお付き合いをする。3つは、納税の義務を果たすことでした。現在も3つの誓いは守られています。
創業者吉村盛雄先生から言われた言葉を忘れることができません。それは、こういうことです。
「地域の財産となるよう努めよ。職員を大切にしなさい」でした。吉村盛雄先生の想いを常に胸に刻み、運営に取り組んでまいります。
熊本市への編入に伴い飽田という町名はなくなり、南区会富町と地名は変更になりましたが、旧町名を付したあきた病院は、時代の変化に応じて少しずつ確実に進化発展していきます。人を大切にしなさいという、吉村盛雄先生の想いを法人名に表したいと思い、2010年4月に、何かのご縁でこの時代を共に生きるすべての人との出会いに感謝する法人であることの願いを込めて、法人名を医療法人むすびの森と改名しました。森は三本の木です。一本目は職員と家族、二本目は患者さん、三本目は地域や取引関係先を表しました。いろんな方とのご縁を大切にすることの願いを込めています。
時代と共にやり方は変化せねばなりませんが、創業者の想いと理念を法人の原理原則として受け継ぎ、地域のための病院として、地域と職員に愛されるように努めてまいります。