臨済宗大本山円覚寺 HP 管長のページ
臨済宗円覚寺派 大本山 円覚寺横田管長の「管長ページ」を毎日拝読しています。その中から心を強く揺さぶった講話を紹介します。
「伊藤真波
静岡市葵区生まれ
静岡県立清水西高等学校卒業
私は交通事故で右腕を失いました。
当時看護師を志すどこにでもいる20歳の女の子でした。
突然の事故で右腕を失いました。
腕だけではなく、夢や希望を失った私にはどん底の人生しか待っていないと覚悟しました。
しかし腕を失っても「幸せになりたい」と心から思えるようになり前を向く決心をしました。
社会復帰するまでのいくつかの不安や葛藤は「夢や希望」があったことで乗り越えていけました。
片腕を失いこの人生二度と後悔したくない思いから小さい頃の習い事だったバイオリンをもう一度始めました。
「世界に一本しかない義手で演奏を聴いてください」
と書かれていました。
伊藤さんの演奏はトークを含めて三十分でしたが、その間私はずっと涙を流していました。
お話が素晴らしいし、そのお姿から、お声から演奏から響いてくるものが悉く胸を打つのでありました。
伊藤さんは二十歳の成人式を前にして、交通事故で右腕を失ったのでした。
成人式のために着物も用意してくれていたらしいのですが、病院のベッドで迎えたのでした。
伊藤さんは、中学の頃から看護師を志していて、その事故の時も看護学校に行く途中だったのだそうです。
バイクに乗っていたというのです。
右腕を失い、お顔の損傷も激しかったらしいのです。
ベッドの上で絶望だったと言います。
何で自分だけこんなめにあうのかという思いでいっぱいでした。
友人からメールで励まされても、自分はもうみんなと同じ世界には戻れない、恋愛も結婚もできない、これからはひっそり隠れて生きていくしかないとネガティブなことばかり考えたそうなのです。
ご両親にも八つ当たりをされたと仰っていました。
お父様が、バイクを好きだったようで、その影響でバイクに乗っていたということでした。
お父様は、バイクをやめて、自分のせいで、娘の人生を台無しにしたと嘆いていたと知りました。
伊藤さんは、自分が嘆いてばかりいてはまわりを苦しめるだけだと気がついて、泣くのをやめたと語っていました。
※ユーチューブで検索してご覧ください。心が深く揺さぶられました。
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