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「AI」

人工知能の開発に携わってきた黒川伊保子さんの話で、なるほどと思ったことがあった。
人工知能は、巨匠並みの芸術作品を描いたり、一流シェフ並みの創作料理を考案したりしているが、それらは「単なる出力」に過ぎない。出力されたものが「ゴミなのか寶なのか」を人工知能は一切感じることができない。それらは人間の感性によるという。
また、人工知能の時代がやってくることで、「人間の学習の機会が奪われること」が懸念されるという。人は失敗を重ねながら勘やセンスを育んでいく。失敗すると脳は、その失敗時に使われた回路へ電気信号が行きにくくなるように操作する。脳は、学習しながら、初めての出来事に遭遇しても咄嗟に正解を選べる脳へと成長していく。つまり、人間の脳には「大量の失敗」が必要という。
いかにして感性を磨いていくか。
転ばぬ先の杖をほどほどに持つか。痛い経験をするか。
AI時代にも生きていける人間に必要なことであると思った。