「師匠北川八郎先生から頂いたことば」
『天敵こそ我が師 天敵に学び多く反省することばかり【天敵こそ我が師】です』
この言葉をいただいたとき、「天敵こそ我が敵」ではないかと思ったが、よくよく吟味すると、なるほど確かにそうだと腹落ちした。
嫌な人・苦手な人を避けたい。
目の前の苦しみを忌み嫌い、目に見えるもので周りを満たし豊になりたい。
有給休暇・産前産後休暇・育児休暇・労災・生活保護等で生活を保障してくれることを願う。もちろんこのような社会保障の充実は喜ばしいことである。保証のなかった両親の世代は、働かなければ収入がない、嫌な人とも付き合わなければ人間関係が成り立たなかった。
今は、回覧板もお隣さんの顔を見ることなくポストに投函すればいい。
嫌な人と顔を合わせなくてもインターネットやテレビで社会と関わっている気分になれる。
上司や同僚とそりが合わなければ、有料職業紹介所を通して気軽に転職できる。
自分がいつ人間としての成長をしてきたかと思えば、避けたい人や出来事、得ようとして得られなかったモノや事ではなかったのだろうか。
苦によってよりよき人間になるためのアンテナが立つ。アンテナが天の声を受信する。その結果、その人らしい味のある人間に、人の心の痛みが我がことのように感じられる人間にさせてもらうのではなかろうか。
失敗・挫折・喪失・敗北など一見すると悲しい出来事は天の配剤であると気づいた。
目の前に起きることを正面から受け止め、社会のお役に立てる人間に近づきたいものである。
師匠の言葉に「そうだ」と頷いた。