「我欲」
人間死ぬまで欲がある。
見返して自分の存在価値を知らしめたい。
名誉を得たい、金銭をたくさん持ちたい。
すべての欲は、自分の存在価値を高めたいというものである。
私も並の人間。
人並みに我欲がある。
ないのは海水浴だけである。
だが、人生を重ねるごとに、死出の旅立ちだと気づく
死んであの世に持っていくものはない。
40歳を過ぎたら人生下り坂。
できるだけ、荷物を軽くし、軽やかに生きていきたい。
発句経に「比丘よ、この船より、水を汲むべし。
汲まば、汝の船は、軽く去らん。
貪と瞋を断たば、汝は早く涅槃に到らん。」とある。
比丘とは私。
涅槃とは悟り。
悟りとは、何が人間にとり価値ある事かを知ることである。
自分にとり心地よいことは貪り、そうでないものは退ける。
真理を知らないことを無知という。
貪り・怒りは他者を傷つけ、自分をも傷つけ自滅する。
死んでいくときに捨てていくものにあくせくすることを、できるだけやめたいものである。